国立のぞみの園紀要
Online ISSN : 2435-0494
グループホームで生活している重度障害者が必要とするサービスの実態調査
谷口 泰司志賀 利一信原 和典古屋 和彦岡田 裕樹
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2018 年 11 巻 p. 55-68

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抄録
本研究では,重度障害者の地域生活を支援しているグループホームでのサービス利 用の実態を把握することで,重度障害者の地域生活のあり方を探る一助とするため,先駆的な 取組みを行っているグループホーム 9 箇所 53 人の利用者に対するタイムスタディ調査を実施 した.調査結果から,①利用者の特性に応じ適切な職種により支援が行われるならば,障害の 程度や年齢に関わらずグループホームを住まいの場とした地域生活が可能であること,②医療 的ケアへの対応を含む重度障害者に対応したグループホームの展開により,これまで地域生活 が困難であると考えられてきた者や,「親亡き後」の住まいの場の確保が困難と考えられてき た者等の地域生活の継続にかかる展望が拓けていくこと,③知的障害のうち,特に行動上の問 題については,当該行動が生じた際の対症療法的な支援以上に,これら間接的な支援や環境へ の配慮(環境調整)が重要であること,等が明らかとなった.
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© 2018 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園

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https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
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