2018 年 11 巻 p. 75-79
本研究は,単身,グループホーム等地域で生活している障害者の生活状況や将来の希望等のニーズ を本人からヒアリングによって聞き取り,単身生活を希望している,またはその可能性のある障害者にとって, 移行時あるいはその後継続的に必要と考えられる支援の在り方について把握することを目的とした.方法は, 就業をしており地域で生活をしている特例子会社に勤務する障害者を対象に,構造化インタビューによるヒア リング調査を行った.調査結果から,単身やグループホーム等地域で生活をしており自立度が高いと思われる 軽度の知的障害者や精神障害者であっても,現在の生活や将来の生活に不安を抱えており,家事や金銭管理等 の日常生活の支援や相談等の支援を求めていた.また,グループホーム入居者であっても家族への依存傾向が 見られ,家族の高齢化に伴う不安を抱えていることがうかがえた.