2016 年 9 巻 p. 118-122
本研究は,著しく激しい行動障害によって在宅生活が困難になり,緊急的に入所となった重度知的障害者に対し,4つの基本戦略を枠組みに,一貫性のある支援を提供した実践事例をまとめたものである.その結果,入所当初から散見されていた,他人を抓る,押し倒す,などの他害行為が大幅に軽減し,生活の安定が図られた.また,生活が安定したことで他の利用者の輪の中での生活も可能となり,地元の入所施設への移行に繋がった.4つの基本戦略に沿って支援することで,利用者の行動に大きな変化をもたらし,その支援が利用者の生活に大きく関わるという重要性を改めて認識した.