2016 年 9 巻 p. 21-32
高齢になった知的障害者に対し,居住の場でどのような支援が求められるのか,国立重度知的障害者総合施設のぞみの園(以下、当法人)の高齢知的障害者支援の実際から有効な手立て等を整理した.食事,排せつ,入浴,日中活動といった,生活のベースとなる部分において多くの介助を要するようになる中で,現存の建物をどのように工夫しながら高齢化した身体状況に合わせた環境としているのか.また生活の充実に合わせ,安全の確保が求められる中で,服薬に関しては,定期的に飲み続けなければならない薬か,量かを,医師や薬剤師と相談する他,新薬に替えることで錠数や飲む回数を減らせるのであれば,なるべく減らす方向で調整することが,事故のリスク軽減につながること等をまとめている.