抄録
オオクグ(Carex rugulosa Kükenth)は沿岸潟湖や河口域などの汽水域に生育するスゲ属の多年生湿生植物で、環境省のレッドリストや島根県のレッドデータブックでは準絶滅危倶種として分類されている。宍道湖と中海を結ぶ島根県の大橋川河口部には、オオクグの大きな群落が形成されているが、洪水対策を目的とした河川の改修計画により、この群落の大部分が消失すると予測されている。そこで本研究では、オオクグ群落の保全を目的として、本種の生活史特性を明らかにし、その生育環境の検討を試みることとした。