日大医学雑誌
Online ISSN : 1884-0779
Print ISSN : 0029-0424
ISSN-L : 0029-0424
原著
中国西域少数民族の自然長寿者における心機能の特徴
―日本人長寿者との比較―
太田 昌克笠巻 祐二泉 洋一河村 博小沢 友紀雄横田 廣夫渡辺 一郎平山 篤志
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 71 巻 1 号 p. 49-55

詳細
抄録
背景:中国西域の新疆ウイグル自治区には,現代医療が介入しない環境の中で生活する自然長寿民族といわれるウイグル族が居住している.このウイグル族の自然長寿者における心機能の特徴を明らかにし,日本人長寿者との間に何らかの民族差があるかを検討した.対象と方法:2006 年 8 月に調査を行った 90 歳以上のウイグル族自然長寿者 113 名 (UL 群 平均年齢 94.8 ± 4.1歳 男性 72 名,女性 41 名) と,2006 年 12 月と 2007 年 2 月に調査を行った茨城県鉾田市にある老人保健施設入所中の日本人長寿者 56 名 (JL 群 平均年齢 93.5 ± 3.9 歳 男性 11 名,女性 45 名) を対象とし,心臓超音波検査を行い心機能の比較検討を行った.結果と結語:ウイグル族自然長寿者における心機能の特徴は,日本人長寿者に比べ加齢による左室拡張能低下が年齢の割に軽度であり,左室拡張能が年齢に比し比較的正常に保たれていることであった.
著者関連情報
© 2012 日本大学医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top