日大医学雑誌
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特集 循環器系薬剤のトレンド3
スタチン
廣 高史
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2014 年 73 巻 2 号 p. 81-84

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抄録
コレステロール生合成の律速酵素である3-hydroxy-3-methylglutaryl-CoA (HMG-CoA) 還元酵素阻害薬は,スタチンと総称される.スタチンは肝細胞内でのHMG-CoA 還元酵素活性を拮抗的に阻害することにより,細胞内でのコレステロール生合成が抑制され,LDL 受容体が増加する.それによりLDL の取り込みが亢進し,血清コレステロールが減少する.虚血性心疾患患者に対するスタチンの使用は,2 次予防におけるLDL-C 低下療法の中心的役割をなしている.わが国のガイドラインによれば,すべての冠動脈疾患患者についてLDL-C 値は100 mg/dl 未満を達成すべきであるとしている.また喫煙,メタボリックシンドローム,糖尿病および耐糖能異常,脳卒中,末梢動脈疾患,CKD や,主要危険因子を重複して合併している場合は,より積極的なLDL-C 低下療法を勧めている.
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© 2014 日本大学医学会
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