日大医学雑誌
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同窓会学術奨励賞受賞講演
胸部大動脈疾患に対する低侵襲手術の開発とその背景
秦 光賢
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2015 年 74 巻 1 号 p. 35-37

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抄録
スタンフォードA 型急性大動脈解離に対する緊急手術の低侵襲化の実現のため考案した,軽度低体温循環停止,急速冷却・復温法を用いたLess Invasive Quick Replacement (LIQR) 開発の背景と,高齢者を中心に増加傾向にある弓部大動脈瘤に対し,平成26 年7 月より新たに保険適応となった日本製の人工血管であるJGRAFT OPEN STENT を用いたオリジナル低侵襲手術Less Invasive Quick open Stenting (LIQS) の2 つの術式の開発について概説する.LIQR,LIQS とも,これまでの脳保護法,冷却・復温法の常識とは全く異なる手法であるが,手術成績,遠隔成績ともに良好で,高齢者をはじめ臓器虚血や術前心肺停止例など,これまで救命困難であった症例に対しても効果的であった.
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© 2015 日本大学医学会
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