日大医学雑誌
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症例報告
初発から17 年の経過を観察しえた孤発性パーキンソン病の1 剖検例
秋本 高義森田 昭彦塩原 恵慈原 誠本間 琢辻村 隆介亀井 聡
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2017 年 76 巻 5 号 p. 209-213

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抄録

80 歳女性の孤発性Parkinson 病 (PD) の1 剖検例を報告する.63 歳時に右下肢から右上肢へと進展する振戦を呈しPD と診断された.初発から17 年,嚥下性肺炎で死亡した.経過中に幻視を認めたが,認知機能障害は明らかでなかった.病理学的にびまん性肺胞障害があり死因と考えられた.神経病理学的に黒質,青斑核,迷走神経背側核に神経細胞脱落とgliosis,Lewy 小体(LB) を認めた.LB は大脳新皮質にも散在し,Braak stage 6 のLB 病理の広がりをもつPD であった.

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© 2017 日本大学医学会
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