高齢者の栄養状態は併存疾患や個人差の影響を 受けやすい.75 歳以上の高齢者では栄養障害はサルコ ペニアおよびフレイルの発症および進展のリスクとな る.さらに,栄養障害は ADL,精神心理状態,認知機 能などの QOL 低下のリスクを増大させる.それゆえ, 高齢者では栄養障害の治療計画を立てる前に栄養評価を 含めた高齢者総合機能評価を行うのが必要である.高齢 者の栄養障害に対する適切な対策は個別的に臨床的,社 会的,経済的,家庭的背景を考慮して計画されなければ ならない.高齢者のサルコペニア,フレイル予防の食事 管理は健康寿命の障害および生命予後の短縮の予防に貢 献する.