日大医学雑誌
Online ISSN : 1884-0779
Print ISSN : 0029-0424
ISSN-L : 0029-0424
症例報告
標準治療終了後に遺伝子パネル検査 FoundationOne®CDx で ERBB2 遺伝子の増幅を認め抗 HER2 療法が奏功した 転移性乳癌の一例
植田 雄一牧野 裕子西田 卓弘落合 昂一郎丸塚 浩助盛口 清香大友 直樹
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 81 巻 3 号 p. 155-159

詳細
抄録

42 歳の女性.HER2 陰性転移性乳癌に対する標準治療 が終了後,遺伝子パネル検査 FoundationOne®CDx を施行 した.ERBB2 遺伝子の増幅を認めた.また,生検検体 での HER2 IHC 法で 2+ であったため,FISH 法を施行し たところ陽性であった.抗 HER2 療法を開始したところ, 部分奏功を認めた.既存の HER2 テストでは抗 HER2 療 法の適応とならなかった症例でも,遺伝子パネル検査を 行うことで,抗 HER2 剤の適応となる症例を拾い上げる ことが可能であり,一部の乳癌患者の予後を大きく変え る可能性がある.

著者関連情報
© 2022 日本大学医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top