日大医学雑誌
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特  集
子宮頸がん治療と HPV ワクチンの現状について
中島 隆広川名 敬
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2022 年 81 巻 6 号 p. 325-328

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抄録

子宮頸癌は世界で 4 番目に多い女性悪性腫瘍である.近年,子宮頸癌の発症原因である HPV (human papillomavirus: ヒト乳頭腫ウイルス)に対するワクチン接種が始まった.世界保健機関 (WHO) は子宮頸癌の撲滅を目指し,世界的な規模で予防戦略を実施している.今後,子宮頸癌の罹患率,死亡率の減少が期待される.一方で我が国では子宮頸癌は増加傾向にあり,また,発症の年齢層が若年化している.一つの要因に HPV ワクチン接種の一時的な積極的推奨中止により,接種の機会が減少した事にある.本稿では子宮頸癌の臨床的特徴,予防,治療方法から我が国の HPV ワクチン接種の現状について述べる.

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© 2022 日本大学医学会
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