日大医学雑誌
Online ISSN : 1884-0779
Print ISSN : 0029-0424
ISSN-L : 0029-0424
原  著
目撃の無い院外心停止症例における予後予測因子の同定:後方視的研究
加藤 駿一井谷 修松本 悠貴大塚 雄一郎兼板 佳孝成田 岳羽田 泰晃根木 謙稲葉 理松村 穣八坂 剛一田口 茂正清田 和也
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2023 年 82 巻 3 号 p. 155-159

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抄録

心停止蘇生後患者の中でも,目撃の無いものについて,その予後を規定する要因について行われた先行研究は極めて少ない.そこで,目撃の無い心停止蘇生後患者の予後を規定する要因について調査した.2015 年 1 月~2019 年 5 月に入院した病院外心停止蘇生後患者のうち目撃例のない症例の生命学的・神経学的予後を規定する予測要因について,後ろ向きに調査した.解析対象例は 857 例であった.解析の結果,目撃の無い院外心停止蘇生後患者の生命学的・神経学的予後を良好にする予測因子として,年齢が若いこと,搬送中の心拍再開があること,発見者による胸骨圧迫が行われていること,初期波形ショックの適応があることであった.以上の結果を考慮し,救命率向上のための方策を検討すべきと考える.

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© 2023 日本大学医学会
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