日大医学雑誌
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原  著
乳癌微小環境における成熟脂肪細胞の形質変化に関する検討
土方 浩平, 松本 太郎, 小沼 憲祥, 植草 省太, 萩倉 一博, 越永 従道, 上原 秀一郎
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2025 年 84 巻 2 号 p. 51-59

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抄録

乳癌組織周囲には成熟脂肪細胞が豊富に存在し,癌微小環境において癌細胞との相互作用が示唆される.本研究では成熟脂肪細胞特異的レポーターマウスを用いて,乳癌微小環境における成熟脂肪細胞の形質変化の有無について検討した.実験には,赤色蛍光色素tdTomato (tdT) により成熟脂肪細胞の運命追跡ができるAdipoq-CreERT2/tdTマウスを用いた.このマウスの乳腺脂肪体にマウス乳癌細胞株を移植し,14日後の移植乳癌組織内のtdT陽性細胞について免疫組織学的検討を行った.その結果,移植乳癌組織内に,成熟脂肪細胞マーカー陰性でtdT陽性の線維芽細胞様の形態を示す脂肪細胞由来線維芽細胞様細胞 (adipocyte-derived fibroblast-like cell: AFC) が確認された.AFCの一部にはPericyteマーカー,Pro-adipogenic fibroblast (PAF) マーカーの発現が認められた.乳癌微小環境において,成熟脂肪細胞がPericyteやPAFの形質を獲得する可能性が示された.

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