市立大町山岳博物館研究紀要
Online ISSN : 2432-1680
Print ISSN : 2423-9305
市内小学校の博物館活用を進める活動事例
博物館の展示資料を利用した学校との連携授業
関 悟志
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2018 年 3 巻 p. 109-122

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抄録

現在、大町市内小学校の児童が理科と社会科の授業で当館を毎年訪れている。一例として、理科では「生き物のくらし」等の単元でライチョウやニホンカモシカといった山にすむ野生動物について、社会科では「郷土に伝わる願い」の単元で北アルプスの登山文化発展に貢献した人物の百瀬慎太郎について学ぶ。館内では、関係展示コーナーを利用しながら、学芸員等の当館職員が毎回説明を行っている。これは当館の常設展を活用した学校との連携授業として実施している活動で、2010(平成22)年度から試行し、2012(平成24)年度以降は市内全小学校を対象に本格実施している。 こうした取り組みを始めたきっかけは、市民の来館機会を積極的に設けることで、生涯各期の学習活動で必然的に当館へ足が運ぶような仕組みづくりが必要と考えたからである。まずは市内小学生の利用促進を図るため、授業での当館利用を定着させようと実践した。当館の収蔵資料や職員を各種教科授業で活用することで、児童の学習理解度の向上が期待できるとともに、博物館を使いこなす能力(博物館リテラシー)の涵養につながる。 当館ではこのような活動を展開することで、社会教育施設・生涯学習支援施設としての機能と魅力を一層高め、市民や地域住民により身近な地域博物館をめざしていきたい。

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© 2018 本論文著者
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