副甲状腺癌はその発生率は非常に稀であり,それ故に治療のエビデンスの構築が難しい疾患です。それでも,近年従来のエルカトニンやビスホスホネート製剤に加えてカルシメティクスやデノツマブなどの登場により,内科的な治療の選択肢が増えたのではないでしょうか。また,網羅的遺伝子解析の普及により,副甲状腺癌に対して効果的な治療薬の登場も期待されます。そこで,本特集では副甲状腺癌の治療に焦点を当てて内科,外科,病理,そして腫瘍内科の先生へ執筆をお願いしました。
内科からは東京大学医学部付属病院 腎臓・内分泌内科の田口真帆先生,外科からは東京女子医科大学 内分泌外科の尾身葉子先生,病理診断は慶應義塾大学病院 病理診断科の川井田みほ先生,そして薬物療法は神戸大学医学部付属病院腫瘍センターの清田尚臣先生に担当していただきました。田口先生は内科的な薬物療法を中心に,新しいWHO分類の副甲状腺癌に関連する遺伝性副甲状腺機能亢進症の解説まで幅広く執筆していただきました。尾身先生はこれまでの外科治療の少ない報告からエビデンスに基づいて外科治療の要点について解説していただきました。川井田先生は,改訂されるWHO分類より,副甲状腺癌のみならず良性疾患を含めて改訂のポイント等,最新の情報を解説いただきました。最後に,清田先生の再発・転移副甲状腺癌の薬物療法についてですが,この領域はまだ有効な治療薬も確立されていないため,難題ではあったと思います。これまでの報告例の結果と今後の薬物療法「がんゲノム医療」の展望について解説していただきました。
本特集が現在の副甲状腺癌の最新の治療と病理診断の情報が凝縮していると自負しています。先生方の診療に役立てていただけると幸いです。