2023 年 40 巻 2 号 p. 83-85
副甲状腺がんは非常に稀な悪性腫瘍であり,ほとんどの場合に副甲状腺機能亢進症を伴う。根治的治療は手術による完全切除であり,再発や転移を生じた場合に外科的切除が困難な場合には有効な治療法はない。抗がん薬を用いた全身的な薬物療法の報告は症例報告のみであり,これまで前向き試験の報告はなく,ダカルバジンを主体とする薬物療法はオプションとして挙げられるが推奨可能ながん薬物療法は残念ながら存在しない。一方で次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子解析の急速な普及により,本邦でもがんゲノム医療が保険診療で実施可能である。このような希少がんにおいてこそ,積極的にがん遺伝子パネル検査を行い潜在的な治療選択肢を見出し,情報集積を図ることが重要と考えられる。