2025 年 42 巻 2 号 p. 105-107
2019年11月より2年間,ハイボリュームセンターである隈病院に国内留学し,約200例の甲状腺・副甲状腺手術を執刀する機会を得た。留学期間中は,外来診療,手術,カンファレンスなどを通じて,専門性の高い知識および高度な手術技術を習得することができた。大学帰局後は,甲状腺・副甲状腺疾患に対する外来診療への対応力ならびに手術手技の向上を実感している。また,近畿甲状腺がん診療ネットワークを通じて症例相談を行うなど,臨床面でも隈病院のスタッフとの交流が継続している。さらに,同時期に隈病院に在籍していた若手医師とも情報交換をはじめとして交流が継続している。このように,国内留学は若手内分泌外科医にとってキャリア形成上,極めて有意義であると考える。その効果を最大限に引き出すためには,ある程度の臨床経験を積み,基本領域専門医を取得した後の時期に実施することが望ましいだろう。