理論と方法
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原著論文
社会運動の国家間比較
―政治的機会構造概念の有効性―
渡辺 勉
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2000 年 15 巻 1 号 p. 135-148

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抄録
 近年の社会運動研究において、政治的機会構造をめぐる議論が活発となっている。しかし、その概念の曖昧性も手伝って、政治的機会構造が先進資本主義国家の社会運動に本当に影響を与えているのか、与えているとすればどのような影響なのかについて、はっきりとした結論が出ていない。そこで本稿では、政治的機会構造を3つの次元で捉え、先進資本主義国家18カ国を対象に、ブール代数分析によって政治的機会構造の社会運動への影響を検討した。そこで次の点が明らかになった。第一に、社会運動は主として政治的機会構造の開放と閉鎖の組み合わせによって生じる。第二に、政治的機会構造の影響は抗議サイクルの初期と後期のいずれにおいても見られるが、その影響の仕方には違いがある。
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© 2000 数理社会学会
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