理論と方法
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特集I <社会>への新たな知
「社会システム」は何でありうるのか
―N.ルーマンの相互作用システム論から―
佐藤 俊樹
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2000 年 15 巻 1 号 p. 37-48

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抄録

 社会学は「システム」という用語を瀕用するが、その経験的意義は決して明確ではない。ここではN.ルーマンのシステム論を、相互作用システムという事例から考察する。彼の理論は行為概念の変更までふくむラディカルなものであり、「社会とは何か」への有力な答えとなっている。だが、厳密にその論理をおっていくと、複数のレベルを交錯させることで、システムの実在性を不当前提している可能性が高い。そのことは、たんに「システム」だけでなく、「行為」「コミュニケーション」「社会」といった社会学の基本概念自体に再検討をせまる。

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© 2000 数理社会学会
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