2001 年 16 巻 2 号 p. 253-259
日本の社会的ネットワーク研究は、パーソナルネットワーク研究に偏りがある。より構造主義的なネットワーク分析への関心がもっと高まるべきである。WassermanとFaustによるSocial Network Analysis: Methods and Applicationsは、構造主義的ネットワーク分析を学ぶために優れた教科書である。しかし、社会的ネットワーク分析の範疇にありながら本書から抜け落ちていることもあるし、本書出版以降も社会的ネットワーク分析は発展しつづけている。これらを概観することによって、社会的ネットワーク分析の全体像を見通し、そこでの本書の位置づけを明らかにしたい。