理論と方法
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特集 社会科学におけるエージェント・ベースト・モデルの最前線
人工社会を用いた熱狂の発生メカニズムの考察
中井 豊
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2004 年 19 巻 1 号 p. 21-36

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抄録

 本研究では、「ある様式が大規模に普及する」という意味の熱狂ではなく、「ある様式と類似の様式が連続して普及し続ける」という意味の熱狂現象に注目する。そして、様式の採用に敏感なエージェントや慎重なエージェントから成る人工社会を準備し、熱狂現象を構成するとともに、熱狂が生まれるメカニズムを抽出する(以下、「熱狂の生成モデル(Genesis Model of Enthusiasm)、略してGEモデル」と呼ぶ)。結果は、様式の採用に敏感なエージェントのグループが発生することがきっかけとなり、社会に熱狂的な雰囲気が生まれてくることが分かった。そして、現実の社会現象(少年非行の歴史)に着目し、敏感なエージェントのグループ化と同型の現象が少年非行の歴史の中にも見出されることを示し、GEモデルに対する了解を深める。

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© 2004 数理社会学会
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