非正規雇用の世代間移動の特徴を探索的に分析した.階層カテゴリは,SSM総合職業分類をもとにし,子職にはさらに「非正規専門」「非正規ノンマニュアル」「非正規マニュアル」の3つのカテゴリを付け加え,父職には「無職/非正規」「父不在」の2カテゴリを付け加えた.男女別に父職×子職×年齢の3重クロス集計表を作り,それぞれにRC(II)+準独立モデルをあてはめた.その結果,子職の3つの非正規は,移動レジーム内では,それぞれ異なる位置にあり,非正規専門は正規の専門に近く,ノンマニュアルとマニュアルについても,正規と非正規が近接していることが分かった.女性に関しては,3つの非正規は近接しており,中間近くに位置していた.父職に関しては,「無職/非正規」がもっとも到達階層が低く,「父不在」はブルーカラーに近接していた.この結果から,男性の場合特に非正規雇用内部での多様性が大きいこと,父が無職や非正規であると,到達階層が低くなりやすいことがわかった.