抄録
今年で,数理社会学会は設立30周年を迎える.本稿では,これまで,数理社会学会機関誌『理論と方法』がどのような軌跡を辿ってきたのかを明らかにすることが目的である.そのために,『理論と方法』の1986年11月の通巻第1号から2015年11月の第58号までの記事を分析する.具体的には,この30年間で扱われてきたテーマ(内容)と方法についての特徴と変遷を明らかにする.分析にはトピックモデルを用いた.分析の結果,扱われているテーマも用いられている方法も大まかには2000年付近を境にトレンドが変化しているということが示唆された.また,テーマの変化と方法の変化は密接に関連していることも示唆された.