理論と方法
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特集 階層・移動研究の展望
階層・移動研究の袋小路と活路
鹿又 伸夫
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1992 年 7 巻 1 号 p. 1-18

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抄録
 階層・移動研究の沈滞と混迷が指摘されている。本稿では、その沈滞と混迷について、次の諸点を論じる。(1) 階層・移動研究では、計量的分析の成熟という条件のもとで変数指向戦略が偏重されたために、諸仮説の個別化・競合化が進み、分析結果が錯綜する事態を生んでいる。そのため、(2) どこまで実証されたかを経験的に確証する方向へも、そして新たな理論構想を演繹的に論証する方向へも進展していない。最後に、(3) 沈滞と混迷の状況を打開する方途を、変数指向戦略、解釈的戦略、数理的戦略などの研究戦略の結合という観点から考案する。
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© 1992 数理社会学会
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