【目的】視床下部過誤腫の部位, 大きさと臨床的特徴との関連性を検討した. 【方法】対象は視床下部過誤腫と診断された6例 (男3人, 年齢12~26歳) で, MRI所見からArita分類に基づきparahypothalamic (P) 型, intrahypothalamic (I) 型に分類し, 過誤種の大きさと臨床症状 (てんかん, 精神遅滞, 思春期早発症, 行動障害), 脳波所見との関連性を検討した. 【結果】P型は1例 (腫瘍の最大径21mm) のみで思春期早発症, 行動障害を認めたが, 知能は正常でてんかんの合併はなかった. 5例はI型に分類され, 最大径は10~32mm (平均19.5mm) であった. I型は全例にてんかん, 行動障害を認めた. 腫瘍が1番小さい1例を除く4例では精神遅滞, 思春期早発症を認めた. 過誤腫が大きくなるとともにてんかん発症年齢が早くなり, developmental quotient/intelligence quotient (DQ/IQ) が低下する傾向を認めた. 【結論】視床下部過誤腫において部位 (Arita分類) と腫瘍の大きさを組み合わせることにより臨床症状の予測につながる可能性が示唆された.