脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
剤形の異なる2種のバルプロ酸 (40%細粒と200mg錠剤) のbioavailabilityの比較検討
武田 明夫稲熊 順子伊藤 一弘竹田 信也山田 博史
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 14 巻 6 号 p. 605-608

詳細
抄録
同一化学物質を含む薬剤でも剤形の違いや製造法の違いにより, 同一量を投与しても生体内へのとり込みが異なることがある. 抗てんかん剤のように有効治療濃度域が設定されている薬物は, こうした薬物の生体内利用性 (bioavailability) の比較検討が必要である. バルプロ酸は錠剤とシロップ剤とが繁用されているが, 最近細粒剤が発売された. そこでこの錠剤と細粒剤のbioavailabilityの比較検討を溶出試験 (in vitro) とボランティアの1回経口投与後の血中薬物濃度変化 (in vivo) とで行った.その結果, 服薬20分後までの早い時間での細粒剤の吸収速度は錠剤より早かったが, Cmax, Tmax, AUCでは差がみられず, 両薬剤間のbioavailabilityの差がないことを認めた.したがってバルプロ酸の錠剤と細粒との互換性については臨床上問題はないと結論した.
著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top