脳と発達
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Lafora型ミオクローヌスてんかんの経時的筋生検所見の検討
宍倉 啓子梅津 亮二青山 正征平山 義人鈴木 暘子大澤 真木子福山 幸夫鴨下 重彦原 正道
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1983 年 15 巻 6 号 p. 467-477

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抄録

Lafora型ミオクローヌスてんかんの1例において, 経時的筋生検および肝生検を施行し, 以下の結果が得られた. (1) 初回筋生検 (13歳): 光顕でPAS陽性の点状物質stipplingおよびtype groupingが認められ, 電顕ではグリコーゲン顆粒の増加が認められた. (2) 第2回目筋生検 (18歳): 光顕でPASおよびphosphorylase強陽性の筋線維が認められたが, DAB-peroxidase, acid phosphataseは陰性であつた. 電顕では小粒子の蓄積が認められたが, これらは, methenamine silver染色で陽性であることから, 多糖類であることが証明された. これら粒子は, 通常のグリコーゲン顆粒より微細で, 一部で数珠玉状の配列がみられた. (3) 肝生検 (13歳): 光顕ではPAS強陽性の細胞がみられ, 電顕ではグリコーゲン顆粒の増加および滑面小胞体の拡張がみられた. Lafora小体類似の線維様構造は, 筋, 肝ともに認められなかった. 本症の原因は不明であるが, グリコーゲン合成障害が存在することが推察された.

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© 日本小児小児神経学会
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