脳と発達
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Mounding現象を認めた高クレアチンキナーゼ (CK) 血症
林 隆中野 千鶴子水戸 敬冨田 豊
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1985 年 17 巻 4 号 p. 378-379

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抄録
8歳頃よりこむら返りをくり返し、尖足歩行となった14歳男児例を報告した.機械的刺激によって筋は収縮しやすく, また, 筋のmounding現象が認められた.筋力低下ばなく, 筋萎縮や仮性肥大は認められず, ミオトニア現象もなかった.患児と, 無症状の父, 姉に高クレアチンキナーゼ (CK) 血症が認められたが, 母の血清CKは正常値であった.上腕二頭筋の筋生検で軽度の壊死再生線維が認められた-本症例は特発性高CK血症の範疇に属すると考えられ, mounding現象と筋線維の軽度の崩壊像は筋細胞の内部膜系に共通の病的背景があることで説明されると考察した.
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© 日本小児小児神経学会
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