1985 年 17 巻 6 号 p. 590-592
超音波断層法を用い, 新生児の脊髄の観察を行った. 脊髄長軸方向の断面では, 脊髄はechogenic shadowに囲まれ, 中心管のechogenic shadowを中心にしたanechoicな管状部分として観察された. 横断面では, 中心に小さなechogenic shadowを有する円形のanechoicな像が得られた. 胸椎Th6~8レベルと腰椎L1~2の腰膨大部で矢状径と横径を測定した. 矢状径は胸髄, 腰髄とも早期産児より満期産に有意に大きかったが, 横径では有意差がなかった.
正常脊髄像の脊椎管内位置や発達的変化の検討を加えていくことによって, 脊椎管内病変の超音波画像診断の有用性を増す事ができると思われた.