脳と発達
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L-dopaが著効を呈した, 運動によって悪化し休息により回復するジストニアの1女児例
吉川 秀人松尾 多希子桜川 宣男
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1990 年 22 巻 3 号 p. 290-292

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抄録

日内変動を有し, 午前中は無症状で夕方歩行すると右足の内反尖足, ジストニアが出現した-女児例を報告した.症例は8歳時発症し, 歩行時のジストニアは休息により改善した.L-dopa内服後, 症状は消失していたが14歳時, 一過性の症状悪化を認めた.L-dopa内服後, 睡眠時の体動の増加およびdopamineの増加を認めたが, 5-HIAAはかえって低下した.本症例は, 瀬川病の近縁疾患と考えられたが, 運動によって悪化し休息によって改善する点が最も異なっていた.また病態としてdopamine系のみならずserotonine系の何等かの関与が示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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