脳と発達
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Pelizaeus-Merzbacher病の臨床的検討
臨床症状とMRSの特徴
倉田 清子伊藤 百英内山 晃蔵野 亘之熊田 聡子小峯 真紀田沼 直之冨田 直松井 瑠璃
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2000 年 32 巻 6 号 p. 503-508

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抄録

Pelizaeus-Merzbacher病 (PMD) 3例について臨床症状とmagnetic resonance spectroscopy (MRS) を中心とした画像所見, また死亡例1例の病理学的検討も加えて研究した.重度精神遅滞, 痙直型四肢麻痺が共通した症状で, 3例に眼振, 1例にアテトーゼ様不随意運動を認めた.4例中1例は女性例であり, 遺伝子診断は2例にproteolipid protein遺伝子重複を, 1例にexon5欠失を認めた.MRIでは, 4例ともに本疾患の特徴であるT1, T2白質信号強度の逆転を認めているが, 3例についてはMRSにおいて, 白質病変部のNAA (n-acetylaspartate) が低下していないことを確認した.他の白質変性症との比較も一部示した.

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© 日本小児小児神経学会
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