脳と発達
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金属ステント挿入後に生じた肉芽性気管狭窄に対しシリコン製ステントがQOLを改善した重症心身障害者の1例
小谷 治子日野 弘之白石 泰資小倉 英郎
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2002 年 34 巻 6 号 p. 538-543

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抄録

気道狭窄や気管気管支軟化症に対し, 形態や材質の異なる気管気管支のステントがしばしば使用されているが, 重症心身障害児 (者) においてはまだ使用経験の報告は少ない.我々は, 気管気管支軟化症に対して挿入された金属ステント内に著明な肉芽増殖がみられ気管狭窄を来した脳性麻痺例に, シリコン製ステントを挿入し気道を確保することができた.しかし, 本症例においてもステント下端には肉芽形成が早期から認められており, 合併症としての肉芽の対策は今後の重要な課題である.重症心身障害者に対するステント挿入は留置後生じる様々な合併症に対処しうるか否かも含め, その適応と種類の選択を慎重に行う必要があると考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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