2005 年 37 巻 4 号 p. 289-292
急性脳症罹患後1年以上が経過し, 後遺症が明確になった15症例を対象とした.急性脳症罹患時年齢は平均3歳7カ月, 罹患後の期間は平均2年10カ月である.脳血流single photon emission computed tomographyはtechnetium-99m-L, L-ethyl cystinate dimerを用い, 全脳24区の関心領域における集積比を測定した.集積比は小脳の値を参照領域とし, 後遺症の重症度別に比較した.後遺症なし~ 軽度障害群では脳に血流低下部位はほとんど認められなかった.中等度障害群では中心後回・後頭葉・視床以外の各領域および全脳平均の血流低下が認められた.重度障害群では, 中等度障害群に比べ, 前頭葉・中心前回・中心後回・レンズ核および全脳平均の血流が有意に低下していた.