2021年11月上旬~中旬にかけて沖縄島から採取された福徳岡ノ場起源の漂着軽石の粒度組成と海岸地形の閉鎖度との関係を検討した.試料採取地点は,沖縄島の外洋に面した海岸から11地点,閉鎖的な海岸から6地点が選定された.前者の漂着軽石は,主に大礫サイズ以上からなり,淘汰良好であった.粒度分布は,直径8 mm(-3.0 φ)に最頻値をもつ単峰性であった.一方,後者の漂着軽石は,中礫・細礫サイズ以下の割合が増加し,前者よりも淘汰不良であった.粒度分布は,直径2 mm(-1.0 φ)と8 mm(-3.0 φ)に最頻値をもつ双峰性であった.外洋に面した海岸の漂着軽石は,強い波浪営力により沖合への再運搬と再堆積を繰り返す過程で,細粒分が選択的に沈降除去されたと考えられた.本研究により漂着軽石の粒度組成は,波浪営力の強弱に影響を与える海岸地形と関係があることが示された.