大阪歴史博物館研究紀要
Online ISSN : 2435-8622
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当て具痕跡を基にした統一新羅からの搬入土器認定のための試論
寺井 誠
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2022 年 20 巻 p. 1-20

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抄録
本稿は、7 ~ 8 世紀の日本列島と朝鮮半島の交流を探るための基礎的研究の一環として、有文当て具痕跡の違いを基にして統一新羅の搬入土器を見出そうとする試論である。まず、朝鮮半島で有文当て具痕跡が数多くある嶺南地方の6 ~ 8 世紀の土器の有文当て具痕跡を検討し、日本列島で一般的な同心円文だけでなく、平行文、格子文など多様性があることを示した。続いて、日本列島の7 ~ 8 世紀の同心円文以外の当て具痕跡の事例を示すとともに、統一新羅の搬入土器の可能性を考えた。従来の搬入土器の研究では印花文土器を基にしたものが多かったが、当て具痕跡の検討を通じて統一新羅からの搬入土器を見出すことができる展望を示した。
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