音声研究
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研究ノート
標準化配列間変動指標を用いた英語を原曲とする明治唱歌のリズム分析
服部 範子
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2025 年 29 巻 1 号 p. 6-17

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抄録

本研究は,16曲の明治唱歌と英語原曲のリズムについて,言語間のリズムの特徴を表すのに役立つnPVI(=normalized Pairwise Variability Index,標準化配列間変動指標)を用いて比較する。日本語に翻訳されても原曲と同一の歌であれば,音符の並びも同一であると予想されるが,もし違いが生じたとすると,日本語への翻訳の過程で日本語のリズムの特徴が反映されたことが1つの要因として考えられる。先行研究では,英語の発話のほうが日本語の発話よりnPVI値が大きいことが示されている。仮説として,「原曲と唱歌のnPVI値が異なる場合,原曲のnPVI値のほうが大きい」を立てた。結果は,1曲を除き仮説が支持された。そして例外に見えるこの1曲について説明を提案する。

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