神戸大学大学院
2025 年 29 巻 2 号 p. 141-154
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閩南語における後部変調は多くの先行研究において「軽声」として扱われているが,その扱いは音声的弱化を根拠とすることが多い。ところが,音声的弱化はすべての中国語方言の軽声で観察されるわけではなく,通方言的な軽声の判定基準としては妥当ではない。本稿では「声調対立の中和」という基準を採用し,閩南語掲陽方言における後部変調を考察対象と定める。筆者の内省による分析及び音響音声学的検証を通じて,その後部変調は音韻的対立を一部失うという点で軽声として扱うべきだと指摘する。
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