1980 年 17 巻 Natural_Educ 号 p. 31-38
1.インデカ米2品種から高純度の米澱粉を調製した。その収率はIR32で70.5%,また,C4-63Gでは85.6%であった。2.インデカ米澱粉中の結合脂質はIR32が0.43%,また,C4-63では0.51%であった。それぞれの中性脂質,糖脂質およびリン脂質の割合は,IR32で51:15:34,一方, C4-63Gは33:9:58であった。3.イソデカ米澱粉中の主な脂質クラスは,IR32では多い方から遊離脂肪酸,リゾホスファチジルコリン,リゾホスファチジルエタノールアミンなどであり,一方,C4-63Gはリゾホスファチジルコリン,遊離脂肪酸,リゾホスファチジルエタノールアミンなどの順であった。4.インデカ米澱粉中の全脂質の構成脂肪酸は,IR32では多い方からジノール酸,パルミチン酸およびオレイン酸であり,一方,C4-63Gでは同じくパルミチン酸,リノール酸およびオレイン酸の順であった。5.インデカ米澱粉中の主要脂質クラスのうち,とくにリゾホスファチジルコリンの脂肪酸組成は,IR32とC4-63Gの間に多少の違いがみられた。