2019 年 56 巻 p. 1-8
本稿は,各園で行われている園内研修に視点をあて,その実施状況と園長の認識との関連に迫ることを通して,今後の園内研修推進の指針を示そうとするものである。
幼稚園,保育所等128の園(所)長を対象としたアンケート調査を行い,その結果をもとに分析を行った。園の課題だと認識している事柄に,保育者の「専門性の向上」が含まれる群と,含まれない群とに分け,各園の園内研修の実態とクロスさせた。その結果,園内研修の頻度において,そうした認識を含む園が有意に高い結果を示した。また,双方の認識の違いは「研修で扱った内容」「取り組んだ工夫改善」等でもその取り組まれ方の違いとなって表れていた。
一方で,園内研修が必要だとの認識は双方共に高く,今後,一部先進的に取り組まれている事例を広く共有化していくことが定着のための鍵となると考えられる。