帯広大谷短期大学紀要
Online ISSN : 2424-1881
Print ISSN : 0286-7354
ISSN-L : 0286-7354
論文
生ジャガイモデンプンおよびデンプンフレークの投与におけるラットの脂質代謝および腸内発酵への影響
門 利恵石田 翼島田 謙一郎韓 圭鎬福島 道広
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 57 巻 p. 11-25

詳細
抄録

生ジャガイモデンプンおよびその加工品のひとつであるドラムドライ加工デンプンフレークについて,ラットを用いたin vivo試験により脂質代謝および腸内環境に与える影響を比較検討した。生ジャガイモデンプン投与群では,血清中の総コレステロール濃度,non-HDL-コレステロール濃度,中性脂肪濃度が低下し,脂質代謝に有用な効果を持つ可能性が示唆された。また,腸内環境では有害菌の抑制や盲腸内短鎖脂肪酸濃度の有意な増加がみられ,盲腸内有害細菌の増殖を抑制して,盲腸内環境が改善された可能性が示唆された。これらの効果はジャガイモに含まれるレジスタントスターチ(RS)によるものと考えられる。生ジャガイモデンプンにはRSによるものと考えられる脂質代謝および腸内発酵への良好な影響が確認された。しかし,生ジャガイモデンプンを加熱・糊化し,ドラムドライ加工により得られたデンプンフレークには同様の効果が見られず,生理特性の違いが明らかとなった。

著者関連情報
© 2020 帯広大谷短期大学
前の記事 次の記事
feedback
Top