抄録
近年, 様々な場面において遠隔医療が行われているが, そのほとんどは民間のWEB会議システム等を利用したものである場合が多く, CTなどの画像検査は放射線科で使用されている遠隔診断システムが必要であった。そのため, 画像検査のみならず病院内の様々なデジタルデータと連動したシステムが望まれていた。
当院では脳神経外科が中心となり, 2010年より脳卒中患者の受け入れから専門医へのコンサルトをより迅速かつ効果的に行うため, iPhoneを利用した遠隔画像診断・治療補助システム (i-Stroke) を開発・運用している。
i-Strokeを耳鼻咽喉科領域においても導入することにより患者情報をタイムラインで共有することが可能となり, CT/MRI画像や手術室の顕微鏡画像/内視鏡画像をリアルタイムで配信可能となった。そのため専門医が院内にいなくても, 若手医師からの依頼に対して的確な指示が出せるようになり, 画像端末が存在しない場所でも複数の医師による症例検討が可能となった。また, 若手医師の教育にも活用できることが示唆された。