耳鼻咽喉科展望
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シリーズ「耳鼻咽喉科頭頸部外科Q&A」
耳鼻咽喉科頭頸部外科Q&A―後輩の疑問,先輩の回答―
志村 英二
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2025 年 68 巻 2 号 p. 72-74

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抄録

Q:「初診時に悪性腫瘍が疑わしい患者が来院された際に,検査をどこまで進めるべきか教えてください」

A:回答者 志村 英二 東京慈恵会医科大学附属第三病院耳鼻咽喉・頭頸部外科診療部長

頭頸部がんの診断および治療方針を決定するためには,組織診・細胞診・血液検査・CT・MRI・US・GIFなど必要な検査が多数あります.これらをどの順序で,どこまで進めればよいかというガイドラインやエビデンスはありません.むしろ本当に悪性腫瘍が疑わしいと思った場合には,初診の段階でも上記すべての検査をオーダーすべきだと考えます.

がん診療において意識すべき重要なポイントは「診断から治療までをいかにして迅速におこなうか」であり,専門外来や専門施設へ紹介する前にいたずらに時間を浪費してしまうようであれば,いっそ余計な検査はしない方がよいとも言えます.

現在は通信端末の進歩により,ほぼリアルタイムで身体所見や画像所見などを共有し相談できる環境にあります.悪性腫瘍を疑って迷うことがあれば,情報の秘匿性を担保した上で,まずは上級医や頭頸部がん専門医に相談してみることをおすすめします.

参考までに,当院の初診外来で悪性腫瘍を疑った場合に,最低限この検査はおこなってから専門外来に送ってほしい,とレジデントの先生たちに伝えている検査は,①組織診および細胞診,②腫瘍マーカー,③頸胸部CT,の3つです.若手の先生は「痛い検査は後回し」と考えて①を後回しにする傾向がありますが,①こそ頭頸部がん診療においては初診時におこなえる検査であり,かつ治療方針を決めるにあたり最重要の検査であることを覚えていてください.

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