抄録
通年性アレルギー性鼻炎に対するフマル酸エメダスチン4mg/日・分2の有効性, 安全性及び有用性を評価するためにアゼラスチンを対照薬として多施設二重盲験群間比較試験を実施した。
全般改善度の経時的な推移では両群とも1週目より2週目の方が改善率が高くなったことより十分な治療効果を得るためには2週間の投与が必要と考えられた。最終全般改善度において「中等度改善度」以上でエメダスチン群43.3%, アゼラスチン群36.6%であった。副作用の発現頻度はエメダスチン群14.9%, アゼラスチン群15.6%と両群間に差はなく主たる症状は両群とも眠気であった。改善度と安全度から総合的に評価された有用度では「かなり有用」以上がエメダスチン群41.2%, アゼラスチン群31.1%であり両群問に有意差はなかったがエメダスチン群の方がやや有用率が上回った。
以上の成績よりアレルギー性鼻炎の治療薬としてエメダスチンは臨床的に有用な薬剤であることが認められた。