耳鼻咽喉科展望
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点耳薬
その研究からみた使用上の諸問題
真崎 正美
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1992 年 35 巻 3 号 p. 253-258

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抄録

現在, 市販されている点耳薬の有効主成分は抗菌剤とステロイドであるがそれ以外の配合成分の物理的, 化学的性状にも注意を払う必要がある。動物実験で中耳腔に注入された点耳薬は形態的にも, 機能的にもかなり強い障害を鼓膜, 中耳腔, 前庭, 蝸牛に惹起する。そのため鼓膜穿孔耳や鼓膜チューブを挿入した症例で耳管機能の良好な場合には点耳薬が容易に中耳, 内耳へ到達することを充分考慮して使用する必要がある。中耳, 内耳へ影響を及ぼす薬剤はアミノ配糖体をはじめとする抗菌剤, propyleneglycolなどの配合成分や消毒剤も報告されており, 安易な局所投与は慎まなけれぼならない。

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