耳鼻咽喉科展望
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エアロゾル療法によるステロイド剤の消化器への影響
和久田 幸之助松本 雅央山本 史郎松永 喬
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1994 年 37 巻 Supplement1 号 p. 21-24

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抄録

ステロイド吸入療法による胃粘膜への影響を検討するため, ラットを使用し, 生食吸入群, ステロイド吸入群, NSAIDs投与群, ステロイド吸入・NSAIDs投与群の4群について検討し, 以下の結果を得た。
1. 生食吸入群, ステロイド吸入群では胃粘膜への影響はほとんど認められない。
2. NSAIDs投与群ではアルコール付加により, 胃粘膜全体に出血, びらんを認めた。
3. ステロイド吸入・NSAIDs投与群ではアルコール付加により胃粘膜全体の出血を伴うびらんとともに, 線状の著明な粘膜損傷も認められた。
以上より, ステロイド吸入療法を行う時には患者背景 (服用している薬剤, 基礎疾患, 飲酒の有無等) に注意し, AGMLの発生を考慮する必要性を感じた。

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