耳鼻咽喉科展望
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副鼻腔炎治療における中鼻道処置の効果
森山 寛深見 雅也柳 清鴻 信義
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1994 年 37 巻 Supplement1 号 p. 63-65

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抄録

中鼻道自然孔ルート付近の非可逆的粘膜病変を伴った慢性副鼻腔炎の治療においては手術的に中鼻道を開大しさらに上顎洞の自然孔の開大が必要となる。というのは上顎洞, 篩骨洞などの副鼻腔内部には正常の状態においてさえ, 自然孔の特有の形態によりエアロゾル薬物粒子は到達し難い。自然孔を手術的に拡大することによりはじめて薬物粒子が洞内の病的粘膜に効果をもたらす。手術的に開放することにより副鼻腔は通気と排泄が改善され, さらに薬物の効果も相まって治癒に至ると考えられる。したがって慢性副鼻腔炎に対するネブライザー治療においては中鼻道の拡大や自然孔の開大さらに洞内における貯留液の吸引除去がまず必要となる。

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