耳鼻咽喉科展望
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気管原発腺様嚢胞癌の1症例
溝呂木 紀仁本郷 了
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1996 年 39 巻 6 号 p. 632-635

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抄録
28歳,男性,呼吸困難,喘鳴を主訴として6ヵ月にわたり,喘息として治療してきたが,症状悪化のため内視鏡検査を行い,生検の結果,気管原発の腺様嚢胞癌(Adenoid cystic carcinoma)と判明,手術にて気管内の腫瘍核出,その後気管骨組としてシリコンTチューブを用いた。原因不明の呼吸障害,改善の徴候のない呼吸障害の場合には,早期に内視鏡検査が望まれる。治療では,手術療法のみが根治法であり,腫瘍切除後気管の端端吻合が望ましいが,腫瘍の性格より,気道確保のためのConservative operationも十分考慮に値するものと思われる。
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