抄録
スギ花粉症患者14名を対象としてスギ花粉症初期の状態を再現しIPD-1151Tの有効性について検討した。スギ花粉抗原ディスクを用いて鼻粘膜連続誘発を行うとIPD-1151T非投与群では即時相反応であるくしゃみ回数, 陽性度スコアは増強したがIPD-1151T投与群ではこれが抑制された。また遅発相反応である鼻閉スコアも非投与群では高度化を示したのに対し投与群では抑制された。
IPD-1151Tの作用機序は (1) Th2細胞からのIL作4, IL5産生抑制, (2) lgE抗体産生抑制, (3) 肥満細胞からのケミカルメディエーター遊離抑制, (4) 好酸球組織浸潤抑制であり季節性アレルギー性鼻炎において即時相および遅発相反応を抑制する薬剤であると考えられた。