1998 年 41 巻 1 号 p. 48-53
小児の睡眠呼吸障害と睡眠時の成長ホルモン (GH) 分泌への影響について検討した。1995年7月~1996年6月にadenotonsillectomyを行った小児のうち, いびきのエピソードを認めた21例に術前後で朝起床時の尿中成長ホルモン値を測定した。結果は21例中9例で増加を認め, 不変例6例, 減少6例であった。術前, 努力性呼吸を認めた群では努力性呼吸を認めなかった群に比較し, 術後, 有意な増加を認めた。アデノイド, 口蓋扁桃肥大による努力性呼吸を伴う小児では睡眠呼吸障害のため深睡眠の出現が影響を受けGH分泌が減少し, 手術により睡眠呼吸障害が改善するとGH分泌が増加すると推察した。